リクルートのDNA 起業家精神とは何か

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21 A 61)

リクルート創業者である江副浩正氏の書いた「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」を読了。

江副浩正氏は、かのリクルート事件を起こして投獄されたわけであり、そのことが強烈な印象をいまも持たれているわけだが、株式会社リクルート自体は高収益企業としてトップを走り続けている。

リクルートはもともと、大学生だった江副氏がはじめた大学新聞の広告代理業からスタートした。

そこから就職情報誌を日本で初めに作り、住宅情報誌、中古車情報誌などの「広告だけの本」を次々に発行し、ネット事業にも果敢に取り組んで現在に至る広告代理企業である。

もちろん事業は成功話ばかりではなく、タイミングや先読みの誤りにより失敗した事業も数多いわけだが、果敢に新規事業に挑戦していったのはリクルートを存続させるためであった。

雇われ社長ではなく、裸一貫何もないところからはじめた江副氏が創業したリクルートは、「人材輩出企業」とも呼ばれ、多くの起業家や著名人を社会に送り出している。このことは、社内に小さな会社を多く持つPC(プロフィットセンター)制を導入している効果である。

その他リクルートの創業期から現在に至るまでの変遷が書かれているわけだが、よくある起業家の書いた本と異なる点は、リクルートの変遷を通して、いかにして事業を継続させるか、どこに着眼点をおくべきか、経営判断をどうとるべきかを学ぶことができる点にある。

起業家の心得や江副氏から見た、著名な日本の経営者についても書かれているが、やはり実際の事業内容の事実を通して読むほうが理解が進む。

本書のあとがきにはこうかかれている。

ひたむきに学び、自分の時間のほとんどをすべて割いて精一杯働いた。それは私の生き甲斐であり快感でもあった。その快感はいまでも私の心に残っている。

この本は、無気力の代名詞のように言われているニートやフリーターの中から何人かでも若き起業家を輩出されることを願って書かれたものだが、そうした人たちがこの手のビジネス本を手に取るかどうかは未知数だ。

さらに読後に実践に移すかどうかは、読んだ本人の意志次第である。
ほとんどの読者というのは、

・読んだだけで何も感じずに終わり。
・読後にこれからうまくできそうな気分になるだけで数日したら日常に埋没して元に戻る。

のだから。


それを乗り越えた数%の人のみが、起業して成功するのだ。


リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21 A 61)
江副 浩正
角川書店 (2007/03)
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