海辺のカフカ
喪失と再生が本作品のテーマ。
それぞれの人々がそれぞれのモノ・コトを失い、そのことによって気づかされていく。
そして新しい生き方を決意して、それぞれの道に進んでいくさまを描きだす。
周囲の人が数人死んでしまったりするんだけれど、悲しみというものはそこに感じられない。
それはその人が自分の意志で死に向けて人生を全うし、自分の意志で死を迎え入れているから。
小さな頃から身近な人に愛されることがなかった、家出した15歳の「田村カフカ」は、自分ひとりの力で生きていくために体を鍛えていくわけだけれど、精神的な鍛えも備わるようになる。
現実の世の中と冥界を行き来して、冥界の穏やかさ、逢いたい人にいつでも逢えるという魅力のようなものに惹かれるわけだけれど、逢いたい人の諭しにより、現実の世界で生き抜くことを決意する。
冥界の番人とも言うべき2人の兵士の言葉が印象的だ。
「銃剣のことは忘れないようにね」と背の高い兵隊が言う。
「相手を刺したら、それをぎゅっと横にねじるんだ。そしてはらわたを裂く。そうしないと、君が同じことをやられる。それが外の世界だ」
「でもそれだけでもない」とがっしりしたほうが言う。
「もちろん」、背の高い兵隊が言う。そしてひとつ咳払いする。
「僕は暗い側面を語っているだけだ」
「それに善意を判断するのはとてもむずかしい」とがっしりした兵隊が言う。
「しかしそれはやらなくちゃならないことだ」と背の高い兵隊が言う。
世の中は競争社会だ。
強くみせないと舐められる。
隙を見せればやられる。弱みを見せれば足元をすくわれる。
生き残りたければ相手を出し抜け。
そして相手の息の根を止めろ。
強くなろうと意志をもって努力するってことは大事なことなのだ。
そして、ほんものの世界でいちばんタフな15歳の少年は、目覚めたとき、新しい世界の一部になっている。
作品中には村上春樹による、登場人物のセリフを通した読者への語りかけがいたるところにあるのだが、その中でもラスト2ページ目でわざわざ太字で記された言葉も印象深い。
比重のある時間が、多様的な古い夢のように君にのしかかってくる。君はその時間をくぐり抜けるように移動をつづける。たとえ世界の縁までいっても、君はそんな時間から逃れることはできないだろう。でも、もうそうだとしても、君はやはり世界の縁まで行かないわけにはいかない。世界の縁まで行かないことにはできないことだってあるのだから。
現実の世界ではいろいろなことが起きる。いいことも、悪いことも。
どこに行っても、それはついてまわる。
だから、行けるところまで行ったとしても、さらに前に進む必要がある。
前に進むことで先が開けることがあるのだ。
ヘミングウエイの言葉
「世界はすばらしい。戦う価値がある」
にも通じる文章だ。
これから自ら命を絶とうなどと考えている人や、自分に自信を失くしてしまっている人、自分のこれからの先行きに不安を感じている人に、是非読んで欲しいです。
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。。。。。パラレル。。。。。
ねこさんとお話ししたい
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面倒くさい
傑作のようなもの・・・
傑作

